「女だてらに」なんて言葉は
もう死語なのかもしれないが
やはり気が引ける行動はある。
外でひとりでお酒を飲む事だ。
それが様になる女性は
自立のオーラがある人だと思う。
お酒の強い弱いは
関係ない気がする。
若い時は
(歳をとって
おばさんと呼ばれる年齢になれば
大丈夫かも!)なんて
期待していたが、やっぱりダメだ。
似合わない。
私は自立していない。
精神的にも経済的にも
何もかも。
誰かに何かにどっぷり
依存して生きている。
だから様になるなんて無理なのだ。
そういう訳で
自分で言うのも何だが
私はお酒は強い方だと思うけど
女だてらに外でひとりでお酒を
(しかも日本酒熱燗を昼間っから)
やるなんてのは相当気が引ける。
様にならない事をするのは
あってはならない罪である。
だからコソコソ犯罪者気分である。
しかし、犯罪と分かっていても
(ここでなら、端っこでこっそり
許してお願い!)と思うお店。
あったのですねぇ。そんなお店が
仕事の帰り道に。
罪なことです。
前回の続き。
私はここで日本酒の時は
必ず熱燗です。
もう、厨房では
「金印熱燗の方〜」と呼ばれている
かもしれません。
皆様、聞いてくださいよ!だって
美味しい辛口地酒の熱燗1合
370円。
無料の日替わりの
お通し付きですよ⁉︎



お銚子から伝わる暖かさと
絶妙なお通しに
口をつける前から慰められて
(ごめんなさい。ありがとう。
明日から私もっと頑張るよ。)
なんて思っちゃう。
このお店で私は
「様にならない」という罪を犯すので
極力礼儀正しく
迷惑をかけないようにしたい。
だから忙しそうだったら入らずに
おとなしくバス停に直行する。
そっと覗いて
ひとり席が埋まってても諦めて帰る。
お昼時の混雑が終わって、
店員さんもなんとなく
ほっとしている様だったら
お店の端っこに座らせてもらって
熱燗で末端冷え性の手足が
あったまった頃、
もりそばの小盛りをお願いする。
なんとこのお店は、全ての麺類に
小盛りがあって、割引してくれる。

その小盛りの量は
私にとって本当に丁度いい。
ありがたい。
細くて喉越しよくて飽きない蕎麦。
甘みのある晒しねぎ、蕎麦つゆ
全てが美味しい快感。


冷たい蕎麦をたぐって
熱燗を飲んでいると
頃合いを見計らって店員さんが
蕎麦湯を持ってきてくれる。


薬効あらたか。
ますます暖まる。
大満足でうっとりしながら
次来た時は何を頼もうかと
お品書きを見ながら予習のひと時。
おかめ...花巻...五目...。
いいな。クラッシックな種物。
季節の鍋焼きやあんかけのうどん。
どれも美味しそう。
全制覇はいつになることやら。
お会計を申し出て
「ありがとうございました」
と言われると、困ってしまう。
お礼を言いたいのはこちらの方だ。
このお店ではお会計の際
お客さんのほとんどがお店の人に
「ご馳走様、
ありがとうございました。」と
声をかけている。
(みんな同じ気持ちなんだ)と
嬉しくなる。
暖簾をくぐって外に出たら
身体も心もあったまって
すっかり元気になっている。
さっきまでトボトボくたびれてたのが
嘘みたい。
これからもずっとあって欲しいお店。
私だけじゃなくたくさんの人が
そう思って来たから
400年も続いて来たのだろう。
盛岡の大好きな名店です。


店内のあちこちに生けられたお花。
店員さん達がその一つについて
「黄色いバラ可愛いよね〜!」
「ね!」とお話しているのが
厨房の方から聞こえて来た。
耳に聞こえて来る
そんなちょっとした
やり取りの全て
丸ごとこのお店の魅力だと思う。



こんなサービスまで...
永遠に通い続けたくなります。

存在に感謝です!
橋本屋本店様!
