外食の誘惑-1

とにかく食いしん坊なので

食べ物の事を考えるのが

大好きだ。

でも一度に

たくさん食べられる胃袋は

持っていない。

  

基本的に少食だけど

今はそれに加えて

お酒優先のせいかな。(反省)

  

おまけにコロナにかかった時に

しばらく何も食べられなくなって

さらに胃袋が縮んだ気がする。

ますます量が入らなくなった。

  

例えば外食で、丼物や定食、

具だくさんのラーメン等を

一人前完食するなんてのは

私にはまず不可能である。

  

だから美味しそうに

たくさん食べられる人を見ていると

ワクワクする。

  

嬉しそうに大盛りラーメンを

注文したり、

定食のご飯をおかわりしながら

残さずきれいに

たいらげて行く人に憧れる。

  

エネルギーに隠と陽があるとすれば

モリモリおかわりする人の力は

陽のように思う。

  

  

アニメの「紅の豚」の中に

「さあ!モリモリ食べて、

ビシバシ働こうー!」って

セリフがあったけれどほんとそれ。

  

モリモリ系の人は

明るい空の下、

目の前のごはんを完食し

自分も、そして作った人の心も

明るくして、誰かの為に

ビシバシ働いている気がする。

  

私はじっくり時間をかけて

ちみちみ食べて飲んでの

チビチビ系だ。

エネルギーは隠である。

  

  

そんな隠の私もフラフラと

1人で外食したい時がある。

  

それは(ちょっとくたびれたな〜)と

思う日の昼下がり。

パートの帰り道、午後3時頃という

時間帯である。

  

(贅沢は敵だ!)

(もし食べきれなかったら失礼だぞ!)

(自炊ブラボー!)と

心の中で自分を叱咤しても

その甘い誘惑に

負けてしまいそうになる日がある。

  

帰りのバス停まで

その店を見ずに直進出来れば

(頑張ったね私)と

自分を褒めてあげられる

しかし、何度かに一度

真っ白な暖簾が風に揺れながら

(おいで...ここで休んでいいよ...)

と私を呼ぶのだ。

暖簾と目が合ったら終わりである。

フラフラと引き戸を開けて

胸いっぱい出汁の香りを吸い込む。

すると

(これでよかったのだ...)

という思いがこみ上げて

もう何も考えられなくなる。

小上がりの1人用の席が

空いてるのを見た日にゃ

嬉しくて鼻穴が膨れる。

小躍りしそうな自分をいさめながら

適度に素早くにじり寄り

はやる気持ちを押さえながら

脱いだ靴を揃える。

(私はこれを大人になっても忘れて

脱ぎっぱなしでよく怒られる。)

 

「鷲の尾 金印 一合

お燗して下さい。」と

口からひとりでに声が出る。

 

店員さんは座るとすぐに

緑茶を運んで来てくれる。

 

ちゃんとお茶の葉を急須で淹れた

暖かいお茶だ。

実家では毎日のように

あたりまえに飲んでいたのに

自分が大人になったら

急須でお茶を淹れるなんて

もう長い事していない。

 

どうしてしないんだろう。

 

古くても拭き清められた店内。

あちこちに生けられた花。

季節ごとの小さな飾り。

 

入って座っただけで

自分の至らなさを

優しく諭されてるようだ。

しかし、諭されつつ

お天道様のまだ明るいうちから

燗酒を頼むっつー悪い私。

 

でも飲んじゃうよ!

 

って長くなりましたね。

 

素敵なこのお店の話は次回、

まだまだ続きます。

お食事が出来るお店で

通し営業をしてくれてる所は

駅ビルか大手チェーン店くらいに

なって来ました。

 

お昼を食べ損ねた帰り道。

11時の開店から閉店の20時まで

暖簾のはためくこのお店は

まるでオアシスみたいです。

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