性根の話ではない。
うどんの話であります。
ブログでも度々書いているけれど
幼い頃、私は体が弱かった。
とにかく食欲がなく
寝つきが悪く
乗り物に乗ればすぐに戻す。
夏でも冬でも常に手足が冷たく
何かというと熱を出す。
治ると次の病気にかかかるを
くり返す子供だった。
だから小学校のはじめの1年間は
ほとんど学校に行った記憶がない。
という訳で
かなりマシになった今でも
ピカピカの健康体なんて
この世にあると思った事はない。
目指そうと思った事もない。
(人間どっか調子が悪くて普通なんじゃ!)って思って暮らしてます。
さて、そんな私の実家の近くに
「京屋食堂」という
素晴らしく美味しい
出前専門の食堂があった。
そこから出前を取る時は、
私はいつも肉うどん。
「今日はカツ丼!」
「私は味噌ラーメン!」
「やっぱり中華そば!」
という家族の中、
私はいつも肉うどん。
しかも肉は誰かに食べてもらう。
とにかく麺とおつゆに夢中。
もう毎回だから、出前を取る時
「そのちゃんは肉うどんかな?」
って、はじめから言われる。
その肉うどんの出汁は
今考えても絶品であった。
弱々しい胃に染みて行く。
うどんは腰がなくやんわり。
でも箸で持ち上げた時、ギリで
切れたりしない柔らかさ。
食べ切る事は出来なくても
他の家族が助けてくれやすい量だった。
常に食欲がなく食の細い私は
家庭でも学校でも
食事の時間はいつも
(ちゃんと食べられるだろうか?)とビクビクしていた。
スポーツの苦手な子が
体育の時間に身を縮めるように。
しかし京屋食堂の肉うどんは
全てにおいて
不安な子供を包んでくれるような
優しいうどんだった。
その頃からずっと
私は腰抜けのうどんが好きである。
外食で讃岐うどんを食べると
(こりゃ美味い!)と
感動するけれど
あれは「讃岐うどん」であって
私のうどんではない。
ふと(うどんが食べたいな...)
と思う時、心にあるのは
圧倒的に腰抜けの方であり
厳密に言えば
「京屋の肉うどん」なのである。
夏バテや二日酔い(オイ)で
体の調子が悪い時、
食欲をなくし、心の調子も悪い時
気がつくと私は、ゾンビのような体を引きずって台所に立ち、
ひたすらうどんを柔らかく煮ているのである。
結局、弱っている時に食べたいと思う物が、自分を形作ってくれていた、という事なのだろう。
いつでも食べられるうどんと思っていたのに、京屋食堂が閉店して
以来、あの味には出会えていない。
これは私がグツグツ煮たもの。
うどんの硬さはさておき
京屋食堂のおつゆの味は
とても真似出来ない。
今、食べたいと
夢見ているのは
日本一の柔らかうどんと
誉も高い伊勢うどん!
そして
やわふわうろん(うどん)が
主流だという博多うどん!
ああ、食べてみたいなあ💕
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