原由子さんの「MOTHER」という
アルバムが大好きだ。
源氏物語には
女性のあらゆる姿が
描かれているが
このアルバムの一曲一曲にも
それを感じる。
密度の濃いCD2枚組。
そしてラストの曲がこれなのだ。
「想い出のリボン」
この曲を聴いていると
涙がポロポロ流れてしまう。
歌詞の「リボン」という言葉を
「結ばれた約束」の事なのかな...
と思ってしまうからだ。
リボンを揺らす「吐息」は
呼吸や溜息や嗚咽を含む
この世に生きてる証だろう。
この世から醒める前に
(夜明けまでに)
出会いを結び、愛を知って行く。
時間に運ばれ やがて
どちらかの命が終わっても
結ばれた約束とその愛は
消えない。
時間の隙間に永遠に残る。
その意味を込めて
「季節は 愛を超えられない」と
歌ってくれているような気がして
ならないからだ。
この曲が収録されている「MOTHER」というアルバムと
源氏物語が似ていると感じるのは
唐突な感想だろうか。
でも私は
2枚のCDを聴き終えた時
源氏物語の事を連想してしまった。
共通点は、本当にさまざまな
女性の姿と日常のエピソードが
描かれている事。
そしてどちらの作品も
年齢や個性の違う
別々の女性の物語だと見せかけて
(実は1人の女性の中にある全ての顔を表現したのでは?)
と思わせられてしまう所だ。
普段は「〇〇ちゃんのお母さん」と
呼ばれているのが日常で
子供達からも「お母さん」「うちの母」という側面でしか見られてない女性達の
心の中に広がる歴史が吐露されているような気がしてしまう。
源氏物語の主人公は
光源氏という男性だが
女性である紫式部という作家が
彼を描く事によって浮き彫りになる世界が面白い。
その点でも「MOTHER」という
アルバムの中の素敵な曲を
男性である桑田佳祐さんが
手がけている事が面白いな〜
と思う。
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