大切な人にいただいた
大好きな本。
読み進めるうち
体の真ん中にある
記憶と感情が震え出す。
胸が引き絞られて苦しいのに
(よくぞやってくれた)という
うれしさと感謝が込み上げる。
ふとした事で
この本を読む機会があって、
(手元に欲しい)と思っていた。
久しぶりに再会出来たその人に、どうして急にこの本の話をしたくなったのか、今でもわからない。
「その本知っているよ!」と
言ってくれたその人と
2人で本の話、故郷の話が出来て嬉しかった。
再会からしばらく経って
ある日実家の方に、
私へという事でこの本が全巻届いた。
本を手に取ると
故郷の気配だけではなく
届けてくれたその人の笑顔も
必ず胸に浮かぶ。
本当に大切な本となった。
リバーエンド・カフェは
たなか亜希夫さんによる全9巻の漫画で、
東日本大震災から数年経った石巻が舞台。
主人公は震災で両親を亡くした高校2年生の女の子。
作品には石巻出身の彫刻家 高橋英吉が出て来たり、
昭和の石巻の姿も描かれている。
過去と今と未来。
現実と幻影。
全部ひっくるめて抱きしめてくれる。
タイミングを同じくして
同郷の友人から一つの歌が届いた。
彼女は、10代の頃から
閉じこもりがちな私の手を引いて「さあ出かけよう」と、
外への扉を開いてくれる人だった。
今もそう。
一つの本と歌に呼び起こされて、私の内側で何かが震えている。
それはきっと、
かけがえのない何かなのだ。
ちなみにこちらは「迷走王ボーダー」という19才の時に出会った本。
きっと自覚のない深い所で
いっぱい影響を受けてると思う。
今も家の本棚に並んでいる。
その頃はまだ、
たなか亜希夫さんが
石巻の人だったなんて知らなかった。